(VOVWORLD) -4月27日に板門店で行われた歴史的な南北首脳会談で『板門店宣言』が採択された後、韓国と朝鮮民主主義人民共和国は、具体的な問題の履行に向けた前向きな動きを見せています。南北朝鮮に関する全面的な宣言は初めて具体化され、朝鮮半島における恒久平和への希望をもたらしています。
4月27日の 南北首脳会談で、金委員長と文大統領=Kyodo/TTXVN |
朝鮮民主主義人民共和国の金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長と韓国の文在寅(ムン・ジェイン)大統領は南北首脳会談が平和と繁栄、統一を念願する全民族の一致した思いを込め、朝鮮半島で歴史的な転換が起こっている意義深い時期に、2018年4月27日、板門店で南北首脳会談を行いました。両首脳は、朝鮮半島にこれ以上戦争はなく、新しい平和の時代が拓かれたことを8千万人の南北朝鮮国民と全世界に厳粛に言明しました。
板門店宣言は冷戦の産物である長い間の分断と対決を一日も早く終息させ、民族の和解と平和繁栄の新たな時代を果敢に開いて行き、南北関係をより積極的に改善し発展させてゆかなければならないという確固たる意志を込めています。
初の前向きな動き
この宣言の中で、南北は、陸海、空中をはじめとするあらゆる空間で軍事的緊張と衝突の根源となる相手に対する一切の敵対行為を全面中止することにしました。その精神で、韓国軍は1日、南北首脳会談で合意した「軍事的な緊張緩和」を履行するため、軍事境界線付近の拡声機の撤去作業を開始しました。朝鮮側も拡声機撤去を始めたということです。双方が同時に敵対行為を中止し、合意履行の一歩を踏み出しました。
これに先立つ4月30日、朝鮮民主主義人民共和国の最高人民会議常任委員会は2015年に変更した同国の標準時「平壌時間」を、5月5日から30分早めて元に戻し韓国と同じにする政令を採択しました。南北首脳会談で、金委員長は、文大統領との豊渓里(プンゲリ)の核実験場を5月中に閉鎖し、米韓の専門家やメディアにも公開すると表明しました。韓国大統領府が4月29日に発表しました。金委員長は、休戦状態の朝鮮戦争の終戦や不可侵でアメリカと合意できれば、核は必要ないとの考えも明らかにしたということです。
会談で、双方は、「民間交流・協力」のため朝鮮の開城市に南北連絡事務所を設置することについて討議する予定です。また、双方は、双方の間に提起される軍事的問題を遅滞なく協議、解決するために、国防相会談をはじめとした軍事当局者会談を頻繁に開催し、5月中にまず将官級軍事会談を開くことにしました。その他、民族分断により発生した人道問題を早急に解決するために努力し、南北赤十字会談を開催し、離散家族・親戚の再会をはじめとするさまざまな問題を協議、解決していくことにしました。
ムン大統領は今年の秋に、ピョンヤンを訪問し、キム朝鮮労働党委員長と首脳会談を行う予定です。
開いた対話の扉
それらの前向きな兆しは、南北朝鮮間に恒久的な平和への希望を開いています。しかし、朝鮮半島の非核化と地域の平和体制の構築はアメリカと緊密な連携があることから、全ての注目は、数週間後に開催される予定の歴史的なアメリカと朝鮮首脳会談に集中しています。もし、今回の会談が「非核化」に関する合意を達成する場合、板門店宣言は容易に現実化されるはずです。そうでなければ、この宣言の実現は様々な困難に直面する恐れがあると指摘されています。史上初の米朝首脳会談は朝鮮半島の『運命』を決定する歴史的な出来事となります。アナリストらは「対話の扉が開いていた。これは、関連各側がチャンスを掴むための有利な時が来た。」と明らかにしました。
対話の成功と板門店宣言は南北朝鮮の国民だけでなく、地域にとっても有意義な『贈り物』であると見なされています。板門店宣言は朝鮮半島における真の平和時代への出発点になるものと確信されています。